女性が高収入の仕事に転職するには？仕事を探すポイントや注意点も解説

一般的に、女性は男性よりも年収が低い上、結婚や出産などライフステージの変化によって年収が下がるほか、仕事を辞めざるを得ないこともあります。今より年収を上げたいと思っている女性は、少なくないでしょう。

近年、女性が活躍する業界は増加し、ライフステージが変化しても自分の望むキャリアを実現している女性が増えてきました。女性が高収入を目指すには、どんな仕事を選び、どんなことをやるべきなのでしょうか？この記事では、女性におすすめの高収入の仕事、仕事を探すポイントや取っておきたい資格などについてご紹介します。高収入を目指している女性は、ぜひご一読ください。

女性が高収入の仕事に転職するのは難しい？

女性が高収入の仕事に転職することは、簡単ではありませんが、活かせるスキルや資格などがあれば、転職できる可能性もあります。現時点では活かせるスキルや資格がなくても、これから身に付けることで、高収入の仕事を目指すことは可能です。また、未経験でも、実力次第で高収入を目指せる仕事もあります。

女性の高収入ってどのくらい？

女性の場合、年収500万を超えたら、高収入といえるでしょう。

2021年度の国税庁の調査では、女性全体の平均年収は293万で、40代後半には321万まで上がるものの、その後の平均年収は下降しています。ちなみに最も多いのは、女性が「100万円超200万以下」なのに対し、男性は「300万超400万以下」です。

女性は、出産や育児で離職や休職をすることも多く、継続してキャリアを構築するのが難しいため、男性のように年収が上がりにくい環境になっています。

高収入の仕事のメリット

収入が増えると、さまざまなメリットを享受することが可能です。それでは高収入の仕事になると、どんなメリットがあるのでしょうか？メリットは、主に5つあります。

仕事にやりがいがある

高収入の仕事は、仕事にやりがいがあり、責任も重いです。ときに、プロジェクトを任されることもあるかもしれません。目標が明確に設定されているため、モチベーションを高く持つことができるでしょう。結果を出せば、男女と問わず誰でも高く評価されるのも、高収入の仕事の魅力です。

公私共に充実する

経済的な余裕ができると、プライベートでも充実した時間を過ごすことができます。行きたいところに行けたり、挑戦したかったことにも挑戦できたりと、行動の幅が広がるでしょう。休日を思いっきり楽しめるので、仕事にも身が入り、自ずとモチベーションも高まるのです。

ステップアップのチャンスがある

高収入の仕事をしている人は、向上心を持っている人が多いです。現状に甘んじることなく、ステップアップのための努力を惜しみません。職場でも、ステップアップのチャンスを与えられることが多いので、より上を目指そうという意識が高まりやすいです。

男性と同等に稼げる

男性と同等に稼げるのも、高収入の仕事のメリットの1つです。実力があれば、男性と同等にもしくは男性以上に稼げることも夢ではないでしょう。特に、結婚しても経済的に自立していたい方にとっては、男性と同じように稼ぐ力を身に付けておくことは重要です。

資産形成ができる

子どもの教育費や老後の生活費など、お金の不安が尽きることはありません。こういったお金の不安を解消するには、資産形成が必須です。

高収入であれば、家のローンや子供の養育費に充てるお金を早めに備えておくことが可能になります。資産形成がしっかりとできていれば、万が一怪我や病気で働けなくなっても、お金の心配をすることがありません。

女性におすすめの高収入の業種

高収入の仕事には、専門的な知識や資格が必要なものも多いですが、資格がなくても実力次第で稼げるものもあります。それでは、女性におすすめの高収入の業種には、どんなものがあるのでしょうか？高収入の仕事への転職を検討している方は、業界選びの参考にしてください。

情報通信業

1つめは、情報通信業です。時代とともに急成長を遂げ、現在も成長し続けている業界といえるでしょう。

情報通信業には、主に通信業・放送業・情報サービス業・インターネット関連サービス業・映像・音声・文字情報制作業の5つがあります。通信業は固定電話業や携帯電話業、放送業はテレビ放送局、ラジオ放送局などが該当します。

情報サービス業にはソフトウェア開発会社やゲームソフト会社、インターネット関連サービス業にはサーバー運営会社やWebコンテンツ提供会社などがあります。

そして、映像・音声・文字情報制作業は、映画やテレビ番組などの制作配給をおこなう会社や新聞社、出版社などが該当します。

情報通信業は、常に新しい技術を習得する必要があり、業務量は多めです。ハードな分、収入も高めになっています。

医療・福祉業

2つめは、医療・福祉業です。病院や保健所、老人ホームなどが該当します。特に、医者や看護師などの医療従事者は高年収で、キャリアアップすれば、さらに収入がアップする可能性もあります。どちらも安定した需要がある業種なので、仕事に困ることはないでしょう。

学術研究・専門サービス業

3つめは、学術研究・専門サービス業です。法律事務所や公認会計事務所、税理士事務所などのほか、経営コンサルタント業などがあります。

法律事務所や税理士事務所などに入社するのはハードルが高そうですが、事務職の場合、特別な資格や経験も必要ありません。

また、商品の仕入れコストなどがかからず、専門的な知識や高いスキルによるサービスによって売上につなげられるのが、この業種の特徴です。高いスキルが求められる分、年収も高くなります。コンサルタント業も実力至上主義で、スキルがあれば性別を問わず高収入が望めるでしょう。

金融・保険業

4つめは、金融・保険業です。主に、銀行や証券会社、保険サービス業者などがあります。これらの業種は、高収入の代表ともいえる業種です。この業界は転勤や海外赴任なども多く、それに見合った給料にするため、収入が高めになっています。

不動産・建設業

5つめは、不動産・建設業です。主に、ゼネコンや工務店、ハウスメーカーや不動産仲介、ディベロッパーなどがあります。その中でも、ゼネコンやデベロッパーは、ひときわ高収入です。
入社時には資格が必要ないケースがほとんどで、年収はとても高いわけではありませんが、不動産契約数に応じてボーナスが出ることが多いです。不動産・建設業で高収入になれるかは、自分の実績次第ともいえるでしょう。

女性におすすめの高収入の職種

次に、女性におすすめの高収入の職種をご紹介します。

経営・事業企画

まず、おすすめしたいのが、経営・事業計画などの職種です。企業の中長期的な経営戦略や営業戦略を考えるのが仕事で、マーケティング力や分析力、論理的な思考力などが必要です。
この仕事の場合、即戦力になる人材を求める傾向があります。したがって、まったくの未経験から挑戦するのは難しく、前職で経営やマーケティング、マネジメントに関わっていた人が有利になるでしょう。

営業

営業の仕事は、性別や年齢問わず、実力があれば高収入を目指せます。営業には、ルート営業や新規開拓営業、個人営業や法人営業などがあります。特別な資格はほとんど必要なく、仕事に必要なスキルは入社後に身に付けるのが、一般的です。

営業は、基本給が高い上、成果次第でインセンティブが付くこともあります。特に、高収入なのは、専門性が高い医薬品メーカーの営業職であるMRやIT営業です。スケジュールの調整をしやすい一方で、売上ノルマが設定されていることもあり、ハードな仕事ではあります。

コンサルタント

コンサルタントは、企業の経営状態や今後の方向性に対して分析を行った上で、アドバイスや指導をするのが仕事です。コンサルタントといっても、業種や仕事内容は幅広く、経営コンサルタントやITコンサルタント、建設コンサルタントなど多岐にわたります。

さまざまなクライアントの案件に対応するため、幅広い知識や分析力、提案力が求められます。未経験の人でもデータや数字に強い人、分析力に優れていれば、採用されることも。コンサルタントは安定した需要があるので、転職先に困ることもないでしょう。

コールセンター

コールセンターは、電話を通してお客様とやり取りするのが仕事で、商品の説明やトラブル対応のほか、注文や加入の受付などを行います。

事前に研修プログラムを受講することが多いため、未経験でも挑戦しやすいのが魅力です。さらに、時給が高く、効率よく稼げると女性に人気の仕事の１つです。

一般的に、コールセンターはスタッフが多く、子どもの発熱などで急な休みや早退も許可してもらえることが多いです。ワーキングマザーに人気の職種の1つです。

Webデザイナー

WEB業界の中でも特に人気のWebデザイナーは、Webサイトのランディングページのビジュアルデザインを製作したり、Webページのコーディングなどを行ったりします。在宅での仕事が可能な会社もありますが、労働時間が長くなる可能性もあります。

システムエンジニア

システムエンジニアは技術職であるため、その分給料も高いです。OSやアプリを開発するのが仕事で、かなりの知識を求められますが、知識を身に付けた分収入は確実に上がるでしょう。なお、専門学校などに通わず、独学で知識を身に付けることも可能です。

美容関係

美容関係の仕事には、ネイリスト、アイリスト、美容師、エステティシャンなどがあります。メインターゲット層は女性のため、女性ならではの感性を活かしやすいでしょう。
カウンセリングをしてお客様のニーズを把握したり、施術中にお客様とたわいもない世間話をしたりと、コミュニケーション力も欠かせません。スキルそしてコミュニケーション力があれば、売上に貢献し高収入を実現することも可能です。

女性が高収入の仕事を探すときのポイント

高収入の業種や職種を把握できたけど、高収入の仕事を目指すのは到底無理…と諦めていませんか？確かに、誰もが高収入の仕事に就けるわけではありません。だからこそ、仕事を探すときは、4つのポイントを押さえることが重要なのです。

希望条件をはっきりさせる

1つめは、希望条件をはっきりさせることです。高収入の仕事は、収入が高い分、残業や転勤があったり厳しいノルマがあったりする可能性があります。

高収入だからといって希望条件を諦めてしまうと、後々後悔することもあるかもしれません。仕事探しでは条件に優先順位をつけて、譲れない条件、そして妥協できる条件などを明確にすることが重要です。

自分のスキルを把握する

2つめは、自分のスキルを把握しておくことです。まずは、自分のキャリアを棚卸して、自分の実績やスキルなどを把握しましょう。所有する資格などのほか、コミュニケーション力や分析力なども、仕事に活かせる仕事のスキルです。

自分の経験やスキルを活かせる仕事ならば、意欲的に取り組みやすいし、スキルアップや収入アップにつながる可能性も高くなります。

業種や職種にこだわりすぎない

3つめは、業種や職種にこだわりすぎないことです。高収入の仕事を探すには、特定の業種や職種にとらわれずに幅広く検討することも効果的です。

業種や職種はこれだけと決めつけてしまうと、その分可能性も狭まります。自分の可能性を拡げるために、さまざまな業種や職種に関心を持ってみましょう。自分には向いていないと思った仕事が、実は向いていたという可能性もあるはずです。

気持ちを整理する

４つめは、自分の気持ちを整理することです。漠然と悩んでいる方は、まずは自分が何に対して不安を感じているのか、整理してみましょう。

不安の正体がわかったら、その不安を解消する方法を考えてみてください。改善点や仕事に対する価値観などを明確にすることで、スキルアップや収入アップにつながっていくはずです。

女性が会社を選ぶときの注意点

高収入の仕事に就いたら、長く働きたいと思う女性も少なくありません。長く働くには、女性が働きやすい環境であることが必須です。「女性が働きやすい会社かどうか」を見極めるには、以下の3つの注意点を頭に入れておきましょう。

女性ならではの能力やスキルを活かしやすいか

1 つめは、女性の能力やスキルを活かしやすいかどうかです。女性の感性や能力を活かせる業界では、実際に多数の女性が活躍しています。例えば、色彩感覚や嗅覚などを活かしてメーカーで商品開発職やマーケティング職として活躍している人もいるでしょう。

また、化粧品やファッションなどを扱う会社では、主なターゲット層が女性のため、女性社員の意見や感覚が重要視されます。

一般的に、女性の能力やスキルを活かせる会社は、女性の比率が多いため、実力があれば昇進や昇給のチャンスも期待できるでしょう。

女性の役員登用の実績が多いか

2つめは、女性の役員登用実績が多いかどうかです。女性を支援する体制を整備しているものの、実際には取り組みが中途半端であったり、制度が利用されていなかったりするケースもあります。

実際に、女性の役員を登用していれば、女性が働きやすい職場であることが多いでしょう。応募前に、その会社に女性の管理職登用や役員登用などの実績があるか確認することが重要です。また、管理職に育児経験者がいるかどうかにも、着目してみてください。

ワーキングマザーが働きやすい職場か

ワーキングマザーは、仕事と家庭の両立が大きなハードルとなります。子育てをしながら働くとなると、子どもの急な発熱で早退や突然の欠勤を余儀なくされることもあるでしょう。

仕事と家庭を両立するには、育児の大変さを理解し、協力してくれる会社であることが重要です。育休や女性サポートの制度が整っているか、残業時間は少ないかなどを確認するだけでなく、その制度が実際に稼働しているのかをチェックしてみてください。

その会社のワーキングマザーの比率を聞けば、ワーキングマザーが働きやすい会社であるかわかるはずです。時短勤務やフレックスタイムなどの制度も利用できる会社や、託児所を併設している会社ならば、さらに仕事と家庭の両立がしやすいです。
今後、結婚や出産を予定している女性、現在育児中の女性は、ワーキングマザーが働きやすい職場であるか、しっかりとチェックしてください。

女性が収入アップする方法

女性が収入アップする方法は、転職だけではありません。今の会社で引き続き働きながら収入アップする方法もあれば、独立開業する方法もあります。それでは、1つずつ詳しく解説します。

管理職になる

まずは、現在働いている会社で管理職になるという方法です。これを実現できるのは、ひと握りの人かもしれません。しかし、管理職になれたら、かなりの高収入が望めるはずです。

なぜなら、管理職になると給与制度が変わるからです。性別を問わず、仕事の成果を正当に評価されます。さらに、時短で働いても、管理職手当をもらえるようになります。

今の会社で働き続けて、収入アップを目指したいという方は、管理職を目指してみるのはいかがでしょうか？成果を出すことで、出世・昇給につながるチャンスがあるかもしれません。

資格を取得する

2つめは、資格を取得する方法です。資格を取得して、現在の会社でスキルアップを目指す人もいれば、転職や独立開業に備えて資格を取得する人もいるでしょう。

仕事に活かせる資格を取得すると、昇給やキャリアアップにつながるだけでなく、転職時にも有利です。

例えば、FP（ファイナンシャル・プランニング）技能検定でFP技能士の資格を取得すると、金融や保険業界、不動産会社、企業の人事や総務などの仕事に役立ちます。また、不動産会社や建築会社の場合、宅建士（宅地建物取引士）の資格があると有利です。

そのほかにも、医療事務、簿記２級以上、TOEICなどの資格を取得する人も多いです。現在の仕事や今後の仕事に活かせる資格があれば、資格取得を検討してみてください。

副業する

３つめは、現在の会社で働きながら副業する方法です。平日夜や休日の時間を活用して、副業することで、収入アップが望めます。

自宅でできる仕事なら、気軽に始めやすいでしょう。データ入力やWEBライター、アフィリエイトなどが多いですが、翻訳やプログラマーなど専門性の高い仕事ならば、さらに高収入が望めるでしょう。

ただし、会社によっては副業を禁止している場合があります。副業を始める前に、副業OKかどうか就業規則を確認してください。

独立・開業する

４つめは、独立・開業する方法です。専門スキルがある場合は、独立・開業するのもいいかもしれません。「開業ってお金がかかりそう」と思う人もいるかもしれませんが、合同会社ならば初期経費もさほど高くないので、ハードルが低いです。

独立・開業ならば、運営も事業もすべて自分次第。引き受ける仕事も働く時間も自分で決められるし、成功すれば膨大な利益を手に入れることも夢ではありません。職場の人間関係で悩むこともなくなるでしょう。

転職する

5つめは、転職する方法です。今の会社で収入アップが望めないならば、思い切って転職することを検討してみてはいかがでしょうか？
新しい会社で活かせるスキルや経験がない場合でも、諦める必要はありません。転職してから、資格やスキルを身に付けて収入アップを目指すという方法もあります。
転職する場合、現在の仕事と並行して転職活動を行うケースも少なくありません。仕事をしながらの会社探しは、時間や労力がかかり、大変です。ましてや、高収入の仕事を目指すとなると、よりハードルが高くなるのは避けられません。
しかし、転職エージェントに相談すれば、会社探しを任せることができます。希望や条件にマッチした求人を見つけてくれるだけでなく、面談の調整や条件交渉なども依頼できるため、高収入の仕事を見つける可能性が高くなるでしょう。

非正規の場合正社員を目指す

6 つめは、正社員を目指す方法です。これは、契約社員など非正規雇用の場合、正社員登用制度などを利用して正社員になると、ボーナスや昇給のチャンスがあります。

転職して正社員を目指すのも、もちろんよいですが、環境や仕事内容を変えずに正社員になりたい場合は、現在の会社で正社員を目指すことをおすすめします。

自分のスキルや不安を把握した上で収入アップを目指そう

収入アップを目指す場合は、まずは自分のスキルや経験を洗い出すことが重要です。そして、さまざまな選択肢を考えてみましょう。高収入の仕事は、業種や職種にとらわれずに仕事探しをすることがポイントです。収入が増えると、プライベートが充実したり資産形成もできたりと、メリットがたくさん。男性と同じように稼ぎたいという方は、ぜひ高収入の仕事を探してみてください。