ピッキング作業はきつい？負担を軽減できる方法やメリットなども解説

近年、ネット通販の需要の高まりに伴い、ピッキング作業の需要も増えています。きついと言われることが多いピッキングですが、メリットも多数あることをご存知ですか？ピッキングがどんなものか理解することで、「自分に向いているかも」と思う人もいるかもしれません。

この記事では、ピッキング作業のメリットや効率的に仕事できる方法などについて解説しています。ピッキングに少しでも関心がある方は、ぜひご一読ください。

ピッキングとは

ピッキングは、商品を保管した倉庫の中で、出荷リストをもとに商品をピックアップする業務のことです。配送業者の倉庫内で作業することがほとんどで、扱う商品はさまざまです。食料品や衣料から、日用雑貨や電化製品まで多岐にわたり、品物の大きさや重さも異なります。

ピッキングは、人による手運びが多いですが、台車を使用したりフォークリフトで移動したりすることもあります。

ピッキング作業はきついと言われる理由

ピッキング作業というと、「重いものをたくさん運んでそう」「女性には難しそう」と思っている人も多いのではないでしょうか？

しかし、実際のところ、大半はカートを使って運搬するので、皆さんが思っているほど大変ではありません。それでは、「ピッキング作業はきつい」と言われる理由を考えてみましょう。

快適な気温の中で作業できない

1つめは、快適な気温の中で作業できないことです。倉庫では、商品の運搬や搬出を頻繁に行うため、出入口を開放していることがあります。したがって、作業現場では冷暖房が効いておらず、快適に感じられないこともあるかもしれません。

「夏は暑く、冬は寒い」と感じやすいので、快適な環境とはいえないでしょう。特に、冷蔵庫内では、防寒着の着用が欠かせません。体調管理をしっかりと行う必要があります。

単純作業が多い

2つめは、単純作業が多いことです。ピッキングは単純作業の繰り返しのため、同じ作業を繰り返しやることが苦手な人にとっては、きついと感じるかもしれません。一方で、ルーティンワークをミスなく行うことが得意な人には、最適な仕事です。

体を動かす仕事が多い

3つめは、体を動かす仕事が多いことです。ピッキング作業は、倉庫内を歩き回ったり、棚から商品をおろしたりと、体を常に動かしているといっても過言ではありません。慣れるまでは、きついと感じる人もいるでしょう。

しかし、仕事しながら運動不足も解消できて、一石二鳥と考える人も多数います。「デスクワークが苦手だけど、体を動かすのは苦にならない」という人ならば、ピッキング作業が向いているかもしれません。

集中力が必要

4つめは、集中力が必要なことです。この仕事は正確にこなすことが必要なため、集中力が求められます。

商品の品名や個数を間違えてしまうと、仕事をやり直すことになり、時間も手間もかかるでしょう。さらに、ミスに気付かずに配送してしまったら、トラブルの原因にもなります。

夜勤になる可能性がある

5つめは、夜勤になる可能性があることです。24時間フル稼働している工場も多いので、夜勤になるケースもあります。夜型の人ならばさほどきつくないかもしれませんが、人によっては生活リズムが乱れて辛いと感じる人もいるでしょう。

繁忙期は多忙

6つめは、繁忙期は多忙ということです。繁忙期の有無や時期は、業種や商品によって異なるものの、年末年始やお盆休み、ゴールデンウイークなどの長期休みが多忙になることが多いです。倉庫内の商品量が多ければ、その分作業量も増えるでしょう。

また、繁忙期はスタッフが増加するので、倉庫内をスムーズに動けず、ストレスになることもあります。さらに、残業が発生する可能性もあるので、その点も頭に入れておいてください。

ノルマが存在する職場もある

7つめは、ノルマが存在する職場もあることです。ほとんどの案件にはノルマがありませんが、稀にノルマが存在する職場もあります。具体的には、「1時間に〇個以上の商品を運ぶこと」といったノルマです。

ノルマを達成できなかったからといって、減給になることはありません。しかし、ノルマがあるとプレッシャーに感じる人もいるでしょう。「ノルマがある仕事は苦手」という方は、応募時にノルマの有無を確認することをおすすめします。

ピッキング作業のメリット

ピッキング作業には、「未経験や初心者でもOK」「シフトに融通を利かせやすい」「高収入や昇給も可能」などメリットが多いです。そのほかにも、さまざまなメリットがあるので、1つずつご紹介します。

未経験者や初心者もOK

この仕事には、特別な資格やスキルが必要ないので、未経験者や初心者でも働くことが可能です。ルーティンワークが多いので、一度覚えたら、仕事も楽になるでしょう。

スピードが必要な仕事なので、どこに何があるのかをしっかりと把握して、効率的にピッキングする必要があります。

シフトに融通を利かせやすい

ピッキング作業の現場では、多くの従業員を雇っていることが多いです。その分、シフトに融通を効かせやすいので、「週3日勤務希望」とか「週末だけ働きたい」などの希望が通りやすいでしょう。休みを取りやすいのも、この仕事のメリットです。

高収入や昇給も可能

夜間勤務や冷蔵庫内でのピッキングならば、通常のピッキングよりも収入が高めになります。フォークリフトの免許を取得しておけば、さらに高収入の仕事を見つけることも可能でしょう。

また、スキルアップすれば、現場の責任者やリーダーを任され、昇給のチャンスもあります。ピッキングの仕事は、高収入や昇給のチャンスが多いので、一気に稼ぎたい人や意欲ある人におすすめです。

短期の求人も多い

ピッキング作業は、短期間の求人も豊富なので、短期集中で一気に稼ぎたい人におすすめです。また、「ピッキングをやってみたいけど自分に向いているかわからない」という方は、短期間試してみて、自分に合っていたら長期で働くのもよいかもしれません。

人間関係のストレスが少ない

ピッキング作業は、基本的に1人で黙々と行います。ほかの作業員やお客様とコミュニケーションを取ることはほとんどないので、人間関係のストレスを感じることもありません。

コミュニケーションが苦手な人や淡々と1人で仕事したい人にとって、働きやすい職場になるはずです。

服装の自由度が高い

基本的に、作業中は動きやすい服装であれば、何でも構いません。スーツや制服を着る必要もないので、着替えることもなく楽ですね。動き回る仕事なので、汚れても問題ない服装且つ安全性を重視した露出の少ない服装が望ましいです。

「ピッキング作業はきつい」と思う人におすすめの方法

ピッキング作業の実態がわかり、「思ったほどきつくない」と思った人もいる一方で、「やっぱり自分には無理かも」と思う人もいるかもしれません。

ピッキング作業がきつくなるかどうかは、考え方や取り組み方、仕事の選び方次第です。そこで、ここでは、ピッキング作業への取り組み方や仕事の選び方について解説します。

ゲーム感覚で楽しむ

ピッキング作業は、1人で黙々と単純作業を行うため、マンネリ化したり、時間が長く感じたりする人もいるようです。

ポイントは、ゲーム感覚で楽しむこと。作業しながら、効率化できる方法やスピードアップする方法を考えて、ゲーム感覚で楽しんでみてください。モチベーションも上がり、自然とピッキング作業に集中できるようになるでしょう。

業種で選ぶ

ピッキングは、業種によって扱う商品が異なります。「とにかく軽いモノがいい！」という人もいれば、「自分が好きなモノにしたい」という人もいるでしょう。自分がどんな商品のピッキングをしたいかを考えた上で、業種を選んでみてください。

ここで、ご紹介する業種は、ほんの一例です。このほかにも、さまざまな業種があるので、ピッキング作業の求人で探してみてください。

食品・医薬品

食品や医薬品のピッキングには、それぞれ特徴があります。まず、食品のピッキングですが、商品によっては冷蔵庫や冷凍庫内で作業を行うものもあります。寒さが苦手な人は、避けた方がよいでしょう。

次に、医薬品です。医薬品は、壊れやすい製品も多いので、慎重に取り扱う必要があります。ただし、特別なスキルは必要ありません、

アパレル

アパレル関係は、商品の種類が多いため、保管場所や品番などを覚えるのが大変ではあります。しかし、ファッションが好きな人にとっては、洋服に囲まれて仕事できるので、きっと楽しめるでしょう。

化粧品

化粧品は、軽い商品がほとんどなので、女性に最適です。女性にとって身近なものなので、見たことがある商品や気になっていた商品もあるかもしれませんね。実際に、化粧品のピッキング作業現場では、多数の女性スタッフが活躍しています。

ピッキング作業のQ＆A

最後に、ピッキング作業に関する質問で、多いものをまとめてみました。ピッキングの仕事に応募を考えている方は、参考にしてください。

正社員の求人でもピッキングの仕事はある？

工場での作業員は、アルバイトや派遣など非正規の募集が多いですが、探してみると、正社員の求人もあります。正社員で採用されると、非正規より年収が高い上、出世もしやすいです。

ただし、正社員の場合は、ピッキング以外の業務を兼任したり、アルバイトのマネジメントを行ったりと、責任やコミュニケーション力を求められる仕事も増えるでしょう。応募前に、仕事内容をしっかりと確認することをおすすめします。

ロボットがピッキング作業をすべて行う日は近い？

確かに、大手物流倉庫では、ロボットの導入が進み、人がピッキング作業することが少なくなったようです。とはいえ、人が行うピッキング作業は、まだまだ必要です。

なぜなら、ロボットは、場所が固定的な上、作業工程などがパターン化されていることがほとんど。また、現時点でロボットが行える作業は、棚の移動のみです。さらに、流通倉庫で行われるピッキングは、作業が複雑なので、ロボットによる作業は難しいのです。

ピッキング作業は、まだまだ人が行うものが多いでしょう。今後、さらにロボットが進化したら、ロボットを活用して、さらなる作業の効率化を進められるかもしれませんね。

冷蔵庫内でのピッキングは寒い？

チルド食品やドリンク、スイーツなどを扱う場合、冷蔵庫内でピッキングを行うものもあります。

冷蔵庫内は寒いイメージですが、作業中はずっと体を動かしているので、汗ばんでくることもあります。また、どの会社も必ず休憩時間があるので、ずっと冷蔵庫内にいることはありません。

とはいえ、冷蔵庫の室温によっては、寒いと感じるかもしれません。また、外気との温度差があるので、体調を崩してしまう可能性もあります。冷蔵庫内でのピッキングをする場合は、万全な防寒対策が必須です。

女性だとピッキング作業はきつい？

女性が応募する場合、軽めの商品を取り扱う仕事に応募することをおすすめします。文房具や化粧品など小さなものや衣服であれば、女性でも運びやすいでしょう。「女性歓迎」と記載されている求人だと、きつくないものがほとんどです。応募の際に、チェックしてみてください。

ピッキング作業がきついかは本人次第！業種の選び方や仕事の進め方を工夫しよう

ピッキング作業は、動き回る仕事ではありますが、ピッキング作業がきついかは、本人次第です。軽いものを中心に扱う倉庫を選ぶとか、夜間勤務は避けるとか、求人の選び方を工夫してみましょう。

また、モノの場所を正確に把握して、作業を効率的に行えるようになれば、ムダに歩き回ることもなくなります。ピッキング作業は、メリットもたくさんある仕事なので、「自分に向いているかも」と思ったら、ぜひ挑戦してみてください。