工場作業員とは？仕事内容や工場の種類は？仕事が上達するコツも解説

工場作業員は、どんな工場でどんな仕事をしているのでしょうか？工場の業種や職種は、多岐にわたります。未経験でもできる仕事が多いですが、自分に適したものもあれば、適さないものもあるかもしれません。この記事では、工場の種類や仕事内容、仕事が上達するコツなどについて、解説しています。工場勤務を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

工場作業員とは

工場作業員は、工場で主に、ライン作業をする人のことです。生産ラインの工程ごとに作業員が割り振られ、ベルトコンベアーで運ばれてくるものを組み立てたり、箱に詰めたりと、決められた作業を行います。作業はシンプルで、未経験でも可能なものがほとんどです。

工場作業員の仕事内容

工場作業員の仕事内容は、多岐にわたります。ライン作業のイメージが強いですが、それだけではありません。実際にどんな仕事があるのか、1つずつご紹介します。

組立・加工

組立は、製品を組み立てるのが仕事です。座ったままの仕事が多いですが、立ち仕事もあります。一方、加工は、製品に使用する材料を機械で加工するのが仕事です。加工作業を行うときは、ホコリや傷などがつかないように、細心の注意を払う必要があります。

機械オペレーター

機械オペレーターは、製品を製造する機械を操作するのが仕事です。機械操作はボタンを押すだけの簡単なものならば、未経験でも問題ありません。しかし、特殊な機械のオペレーションならば、未経験では難しいでしょう。
万が一、操作でミスをすると、生産工程全体に影響を与えてしまいます。簡単にできる作業であっても、大きな責任が伴う仕事だと理解しておくことが重要です。

検査・検品

検査は、完成した製品のチェックを行うのが仕事です。検査方法は工場によって異なりますが、マニュアルに沿って検査することが多いです。
資格不要で、誰でも簡単にできる作業ですが、製品検査結果が製品の品質を大きく左右します。責任感と集中力が求められるでしょう。
なお、検査と混同されがちなものに、検品がありますが、仕事内容は異なります。検品は、納品数などを数えるのが、仕事です。

品質管理

品質管理は、検査と若干仕事内容が似ています。完成した製品のチェックをして、不良品がないか確認するのが、仕事です。万が一、品質の低下を感じた場合は、原因を追及しなければいけません。
資格は基本的に必要ないものの、自動車工場で品質管理を行う場合は、自動車整備士の資格が必要になります。

梱包・仕分け

梱包は、完成した製品を段ボールに入れたり包装したりするのが仕事です。商品を傷つけないようにするほか、段ボール内で動かないようにする工夫も、必要です。手先が器用な人に適した仕事といえるでしょう。
一方、仕分けは、完成した製品を配送先別に振り分けるのが仕事です。注文書に従って、決められた場所に運びます。ときには、トラックへの積み込み作業を行うこともあるので、体力仕事でもあります。

ピッキング

ピッキングとは、工場内にある商品を取りに行く仕事のことです。注文書の指示に従って、商品を棚などに取りに行き、指定の場所まで運びます。効率よく作業できるよう、商品の配置場所を覚えておくと、仕事が捗りやすいです。

一日中歩き回るため、ある程度の体力はあった方がよいでしょう。重い商品をピッキングする工場だと、より体力が必要です。

生産・工程管理

生産・工程管理は、工場での進捗を管理するのが仕事ですが、生産管理と工程管理の業務内容は異なります。生産管理は、生産計画の立案や人員配置など、製造工程全体の管理を行います。
一方、工程管理は生産管理の一部でもあり、材料の加工や配送など製品づくりの進行を管理するのが主な仕事です。

工場の種類

工場は、お菓子工場からネジ製造工場まで、実にさまざまな工場があります。そして、工場によって仕事内容も異なります。それでは、どんな工場があるのか見てみましょう。

お菓子工場

お菓子工場は、工場の中でも特に人気です。主な仕事内容は、検品や梱包、仕分け、調理器具の洗浄などがありますが、品質管理や衛生管理を行うこともあります。機械化されている作業がほとんどなので、未経験でも挑戦できる単純作業が多いです。

クリーニング工場

クリーニング工場では、クリーニング屋に預けられた衣類をキレイに仕上げます。品物が工場に運ばれてきたら、検品・仕分けをします。衣類のポケットに物が入っていないか、ほつれや破れはないか、などの確認も必須です。

汚れがひどいモノはしみ抜きをする必要がありますが、しみ抜きは専門的な技術がある人しかできません。洗浄・乾燥、仕上げ、そして点検・梱包までを行うのが、クリーニング工場の仕事です。

化粧品工場

化粧品工場では、主に、検査・検品、包装・梱包、機械オペレーターの仕事があります。検品や梱包などは、力仕事が少なく女性も活躍しやすいですが、丁寧且つ慎重に作業することが必須です。

一方で、化粧品を製造する工程や仕分けは、力作業が多いため、男性に適しています。

製薬工場

製薬工場では、私たちが薬局で購入する薬などを製造しています。取り扱っているのは、医薬品だけではありません。医薬部外品や飲料も取り扱います。

主な仕事内容は、医薬品や飲料の受注や生産管理です。職場環境は良く、空調も整備されていて、快適に過ごせるでしょう。なお、製薬工場では、無塵衣（むじんい）の着用が義務付けられていることがほとんどです。

半導体工場

半導体工場では、マシンオペレーター、組立、検査・検品、運搬・出荷が主な作業内容です。1日中同じ業務を行うこともありますが、午前と午後で業務内容が異なることもあります。
小さな部品を取り扱うため、細かい作業が苦ではない人におすすめです。清潔感ある職場で、空調も管理されているので、快適に過ごせるでしょう。

自動車工場

自動車工場では、自動車の部品の製造や塗装、組立などを行います。工程を細分化しているため、未経験でも挑戦できる仕事もあります。自動車工場は、工場作業員の中で特に年収が高めの業種として、人気です。

ネジ製造工場

ネジ製造工場では、鉄などをカットしたり、ネジの頭やギザギザの部分を作ったりします。検品や納品管理なども、ネジ製造工場での業務の1つです。資格は特に必要ありませんが、ほとんど機械での作業のため、機械を上手に使いこなせることが必須です。

仕事が上達するコツ

工場作業員の仕事はシンプルですが、スムーズ且つ正確に仕事をこなし続けるのは大変です。集中力が切れてくると、ミスをしやすくなることもあります。ここでは、仕事が上達するコツを5つご紹介します。

焦らずリラックス

作業中に焦ると、部品を落としたり、手順を間違えたりと、ミスが増える一方です。仕事に慣れるまでは緊張するかもしれませんが、リラックスして作業するようにしましょう。

自分のミスで、ラインを止めてしまうかもと考えると、かえって緊張してしまうものです。肩に力が入らないようにして、作業に臨むとよいでしょう。

作業が速い人の動きを真似する

少し業務に慣れてきたら、周囲の人を観察してみてください。きっと、作業が速い人がいるはずです。その人と自分の何が違うのかを考えてみましょう。直接その人にコツを聞くのもよいし、動きをマネしてみるのもおすすめです。

一定のリズムで作業する

工場の仕事は、同じ動作を繰り返すため、一定のリズムを保つようにすると、作業しやすくなります。一定のリズムで作業できると、仕事を正確且つ安定してこなせるようになるでしょう。

次の作業を意識しながら作業する

目の前の作業をこなしながら、次の作業も意識してみてください。ライン作業は、基本的に止まることがありません。

1つの作業が終わってから、次の作業に意識を向けると、作業が遅れてしまう可能性があります。常に、次の作業を意識しながら仕事することで、無駄がない動きになります。

仕事効率化のための工夫をする

工場の仕事は、手順が決まっていますが、工夫の余地があります。自分なりに工夫して、作業を効率化してみましょう。

例えば、製品の位置や作業順序を変えてみてください。マニュアルで細かく決められていて、勝手に変えられないことならば、上司に相談してみるとよいでしょう。最初はスムーズにできなかった作業も、徐々に時間短縮できるようになります。

工場作業員のQ＆A

工場の仕事が初めてという方は、「休みをちゃんと取れるもの？」「転勤はあるの？」など、気になることが色々とあるのではないでしょうか？工場作業員の仕事に関心がある場合は、工場作業員の労働環境などを理解しておきましょう。

髪型は自由？

髪型は、基本的には個人の自由です。とはいえ、製品に髪の毛が付着することがないように、清潔感のある髪型にする必要があります。特に、食品系の工場では、帽子から髪の毛がはみ出ないようにしないといけません。

工場作業員希望ならば、短い髪の方が安心です。髪型にオシャレを求めたい方も多いかと思いますが、工場で働く以上、安全性や作業効率も考慮しましょう。

休憩はちゃんと取れる？

基本的には、労働時間が8時間以上の場合、お昼休憩が1時間になることが多いです。法律で定める最低限の休憩時間を守っていれば、後は、企業が自由に決められます。まとめて休憩時間を取れるケースもあれば、休憩を分割しているケースもあります。

ちなみに、労働時間が6時間以内の場合は、休憩時間を定めなくても違反になりません。そうはいっても、ほとんどの工場で、10～15分程度の小休憩があるようです。

3勤3休は大変じゃない？

3勤3休は、工場作業員に多い働き方で、3日間勤務と3日間休みの繰り返しのことです。出勤日は1日12時間勤務になることが多いですが、その分、休日を多く取れるのが魅力です。
集中して勉強したり、旅行に出かけたりと、充実した時間を過ごすことができます。通常の勤務体制よりも給料が良いケースもあるので、効率よく稼ぎたい人におすすめです。

耳栓が必須って本当？

工場勤務では、耳栓を持っておくと便利です。騒音がある工場では耳栓の着用が義務付けられていますが、すべての工場で義務付けられているわけではありません。

人によっては、大きな音を長時間耳にすることで、心理的なストレスになったり、身体に悪影響が出たりすることがあります。

ただし、耳栓を付けるときは、事前に上司に相談して置いた方が安心です。自己判断で、勝手に耳栓をつけていると、仕事に支障が出ることもあります。

例えば、ライン作業中、口頭で伝達することもあるので、前の工程の人からなにかを伝えられたのに、耳栓をしていたために聞き取れないという可能性もあるでしょう。

休みをちゃんと取れる？

工場作業員は、意外と土日休日に休めることが多いです。工場が稼働していると、トラックが出入りするほか、機械による騒音が出やすくなります。そのため、近隣住民に迷惑をかけないように、土日を休みにするのでしょう。

特に、製造や検査、運搬の仕事は、土日休みのことが多いです。しかし、半導体の組み立てなど、休日でも24時間フル稼働の工場もあるので、土日休みを取れるか気になる方は、応募時に確認してみてください。

夜勤はある？

工場は、24時間稼働していることが多いため、夜勤に入る可能性が高いです。夜勤は、生活のリズムが乱れ、睡眠不足になりやすいです。作業中に睡眠不足だと大事故につながりかねません。夜勤のときは、気を引き締めて体調管理に気を付けましょう。

ピアスやアクセサリーはOK?

工場勤務は、基本的にピアスはNGです。作業中に、万が一ピアスが外れてしまい、製品の中に落ちてしまったら大変です。すぐに気付けばよいですが、ピアス本体やキャッチ部分は非常に小さく、気付かないことがほとんどでしょう。

トラブルを回避するために、ピアスだけでなく、腕時計やアクセサリーも禁止と考えてください。生産ラインでの作業中は、つけまつ毛や絆創膏などもNGのことが多いです。

職場には女性も多い？

工場作業員というと、男性が多いイメージかもしれません。しかし、近年は、女性の工場作業員も増えています。特に、食品メーカーや繊維製品企業は女性従業員が多いです。
女性が増えている理由は、衛生面でキレイな工場が以前より増えたことや、資格不要且つ未経験OKの仕事が多いことなどがあげられるでしょう。さらにシフトを調整しやすいため、プライベートな時間も確保できるし、家庭との両立も可能です。
工場の仕事の中で女性におすすめしたい仕事は、いくつかあります。まず、ピッキングです。工場内を歩き回るので若干体力が必要ですが、小さく軽い商品を運ぶならば、女性でも負担になりにくいでしょう。
また、検査や事務作業も、女性に人気の仕事です。椅子に座りながら作業するので、体力に自信がない人でも問題ありません。品質管理がメイン業務の機械オペレーションも、女性でも挑戦できる仕事の1つです。

転勤はある？

基本的に、転勤はありません。ただし、雇用条件に「転勤あり」と記載されている場合や管理職に昇進した場合は、転勤になっても断れないでしょう。
また、工場の閉鎖や異動によって転勤になる場合もあります。転勤を望まない場合は、応募または面接の際に、転勤があるか確認しておくことをおすすめします。

工場の仕事が楽になるかは自分次第！上達のコツを掴んでストレスフリーで働こう

未経験でも挑戦できる仕事が多いのが、工場作業員の魅力の1つです。仕事を効率的に行う工夫をすれば、働きやすさがアップするでしょう。工場や仕事内容によっては、重い荷物を持つ仕事などもあります。自分に合う仕事を選べば、女性でも無理なく工場作業員の仕事ができるはずです。少しでも関心を持った方は、労働条件もしっかりと確認した上で、ぜひ工場作業員の仕事に応募してみてください。