製造業はやめとけって本当？製造業の魅力や応募時のポイントなども解説

製造業の仕事が気になっているものの、「製造業はやめとけ」と言われたことありませんか？やめた方がよいといわれる理由はさまざまですが、その理由をすべて鵜呑みにするのではなく、自分にとって譲れないものはなにか、妥協できるものはなにかを明確にすることが重要です。この記事では、製造業はやめとけといわれる理由のほか、製造業の魅力や応募時のポイントなども紹介しているので、ぜひご一読ください。

製造業とは

製造業は、私たちの身のまわりにある冷蔵庫やテレビ、食料品や化粧品、洋服や車などあらゆるものを工場で製造するのが仕事です。
衣料品メーカーや食品メーカーというように、メーカーという言葉が付くものが製造業に該当します。原材料や素材を加工して、製品を生産するため、ものづくりに興味がある人にとっては魅力的な仕事といえるでしょう。

製造業の業種

製造業には、さまざまな業種があります。ライン作業や力仕事をイメージする人も多いかと思いますが、生産する物も仕事内容もさまざま。それでは、主な業種を5つご紹介します。

食料品

食料品製造業では、原材料から食品の加工を行います。扱うものは、パンやお菓子、果物・野菜の缶詰、畜産・水産食料品など、さまざまです。

電子機器・機械

電子機器・機械に関する製造業は、家電製品、パソコンなどに使用される精密機器などの設計から組立までを行います。工程が多いのも、この業種の特徴です。

車・航空機系

車・航空機系に関する製造業では、車両に必要なパーツ製造や塗装、整備などを行います。大規模な生産拠点を持つ大企業がある一方で、組立部品の製造を行う中小企業もあります。

化学製品

化学製品に関する製造業では、石油や天然ガスなどを原材料として、プラスチックや合成ゴム、洗剤など身の回りのあらゆるものを製造しています。

木材系

木造系の製造業では、丸太を原料とする木材の加工や組立を行います。具体的な仕事内容は、材料のカットや穴加工などです。

製造業の仕事内容

製造業の仕事は種類が多いため、自分に適した仕事を見つけやすいのが魅力です。ここでご紹介する仕事内容のほかにも、品質管理、設備保全やメンテナンスなど、さまざまなものがあります。

加工・組立

加工は、製品や部品の一部に色を塗る作業や、やすりがけやシール貼りなどの作業です。一方、組立は、製品や部品を組み立てて、1つの製品を完成させます。機械で行うものもあれば、手作業で行うものもあります。

ピッキング

ピッキングは、伝票を元に、出荷前の製品を工場内や倉庫から探し出して、各担当に受け渡す作業です。専門スキルは不要で、未経験でも可能です。ただし、工場内を歩き回ることが多く、製品によっては重い物を運ぶこともあるため、体力がないときつく感じるでしょう。

点検・検品

点検・検品は、完成した製品や部品を点検・検品を行うことです。出荷後に不良品が出ないように、製品を目視で1つずつチェックします。「異常がないか」「不良箇所がないか」「異物混入がないか」などを細かくチェックしなければいけません。

万が一、チェック漏れが発生したら、不良品が出回ってしまうことになります。非常に責任のある仕事で、集中力が必要となる作業です。

仕分け・梱包

仕分け・梱包とは、完成した商品や部品を仕分け・梱包する作業です。仕分けは種類や用途別など目的別に品物を分ける作業のことです。

一方、梱包は、出荷される商品をダンボールなどに詰めていく作業です。どちらも、未経験歓迎のことが多いですが、商品によっては体力が必要になるものもあります。

運搬

運搬は、倉庫や物流センター内の製品の搬出入をおこなうのが仕事です。フォークリフトを使って作業することが多いです。

事務作業

一般企業と同じように、工場でも、事務作業があります。具体的には、従業員の給料計算や労務管理、経理や総務、発注業務や求人対応などさまざまな業務をこなします。体力はほとんど必要ないので、女性も働きやすい職場です。

生産管理

生産管理は、生産計画に基づいて生産体制を整備・管理するのが仕事です。商品の受注から加工、出荷までの一連の生産工程における管理業務を行います。
取引先との交渉や人員増強、作業員への指示などを行うのも、生産管理です。きわめてレベルの高い仕事で、交渉力やマネジメント力、情報分析力などが求められます。

製造業はやめとけと言われる理由

「製造業の仕事はやめとけ」と言われるのは、なぜでしょうか？理由は、主に7つあります。

体力的にきつい

工場では立ち仕事が多い上、夜勤があると、体力的にきついと感じることもあります。特に、40代以降になると、20代や30代のときよりもきつく感じることが増えるでしょう。繁忙期になると残業や休日出勤もあるので、体力がさらに必要となります。

職場環境が悪い

工場によっては、職場環境が悪いところもあります。老朽化が進んでいる工場では、トイレが汚いなど、衛生面に不安を感じることもあるでしょう。

また、夏は暑さ、冬は寒さがきついのも、工場ならではです。例えば、生肉やスイーツなどの加工工場は、鮮度の低下や腐敗防止のために、室内は20度以下のことがほとんど。冷凍食品の工場も、温度低めに設定されています。

反対に、自動車工場など、機械の稼働が発生する工場は、夏はかなり熱くなります。冷房がない現場では、長袖とマスクを着用の上、暑さと機械の熱に耐えなければいけません。

すべての工場の環境が悪いわけではありませんが、極端な寒さや暑さに耐えられない人は避けた方が安心でしょう。

人間関係が悪い

工場勤務の場合、普段は黙々と1人で作業することが多いです。従業員同士のコミュニケーションは少ないので、和気あいあいとした雰囲気とはいえないかもしれません。

相性が合わない人とコミュニケーションの必要が生じた場合、ストレスを感じる可能性もあります。

しかし、人間関係に関する悩みは、製造現場に限ったことではありません。どんな職場でも、合わない人がいれば、ストレスに感じることはあります。製造業だからといって、一概に、対人関係が悪いわけではないので、安心してください。

ミスしてはいけないというプレッシャーがきつい

工場では、仕事を手順通り且つ正確にこなすことが求められます。自分のミスで不良品を出してしまったり設備を故障させてしまったり、大量不具合を出してしまったりすると、大きなトラブルにつながるリスクもあります。

常にミスをしてはいけないというプレッシャーを感じながら作業するのがきついと感じる人も少なくありません。

単純作業が多い

単純作業が多いのも、製造現場の仕事の特徴の1つです。単純な作業を延々と続けるため、人によっては退屈に感じることもあります。

毎日同じことを繰り返しているうちに、品物を見るのもイヤになってしまう人も多数います。さまざまな仕事をこなしたい方、変化を好む方には、適さない仕事かもしれません。

残業や休日出勤が多いときがある

繁忙期になると、残業や休日出勤が多くなりやすいです。また、機械の故障によって予定通り仕事が進んでいないときや、需要の増加により生産数が増えたときにも、残業や休日出勤が増える可能性があります。

給料が安い

工場の給料には、残業手当や夜勤手当なども含まれています。したがって、残業や夜勤が少ないと、その分給料が安くなるのです。

年齢が上がると給与は増えていきますが、仕事で成果を出したからといって突然給料が上がることはありません。給料の安さに不満を感じる人は少なくないでしょう。

製造業の魅力

製造業は、大変なことばかりではありません。製造業の魅力にも目を向けてみましょう。例えば、未経験でも挑戦しやすいし、収入アップの可能性もあります。それでは、1つずつ詳しく解説します。

未経験でも挑戦できる

「未経験可」の求人が多いため、専門知識や資格がなくても、応募可能です。単純詐欺業が多い上、ほとんどの職場には作業マニュアルがあるので、マニュアルの手順通り作業をすれば、未経験でもすぐに作業を覚えられます。

スキルアップを図れる

未経験でも、具体的な目標を持って働くことで、スキルアップを図れるのも、この仕事の魅力です。時間を意識して働いたり、仕事のやり方を工夫したりすることで、作業スピードの向上や仕事の効率化につながります。

収入アップの可能性がある

製造業には、夜勤手当や残業手当、資格手当などさまざまな手当があるのが特徴です。例えば、資格は、取った資格の数だけ、資格手当がもらえます。働き方を工夫するなど、自分の頑張り次第で、収入アップも大いに期待できるでしょう。

ものづくりに携われる

製造業は、ものづくりに直接携わるため、大きなやりがいがあります。業種はさまざまですが、自分が製造に関わった商品を街で見かけたときは、製品づくりに携わっていることを誇りに思う人も多いです。

製造業に応募するときのポイント

製造業の仕事に応募したいものの、まだ不安がある人もいるかもしれません。そこで、応募するときのポイントをご紹介します。選び方を意識するだけで、自分の希望条件に合う仕事を見つけやすくなるでしょう。

力仕事がないところを選ぶ

工場の仕事は、立ち仕事や力仕事が多いイメージを持たれやすいですが、すべてが力仕事ではありません。シール貼りや、不良品の選別をする検品も、座り仕事がメインなので、体力はさほど必要ないでしょう。

小さな部品や商品を扱う工場を選ぶ

小さな部品を扱う工場は、体力面が心配な方におすすめです。例えば、加工品に電動ドライバーで部品をつける仕事なら、あまり体力を必要としません。
部品を取り付ける仕事は、「組付け」という名称で求人を募集しているのが特徴です。また、ピッキングは歩き回る仕事ではありますが、化粧品など小さなものを扱う工場であれば、女性でも働きやすいでしょう。

半導体工場を選ぶ

半導体工場は、安全且つ快適な作業環境を求める方におすすめです。半導体工場は、作業員の汗が製品に付着しないように、室内が快適な温度・湿度に保たれていることが多いです。油汚れが付くこともないし、大きな機械を扱うこともありません。

女性従業員の多い工場を選ぶ

女性従業員の多い工場は、残業をあまりしたくない方におすすめです。家事や子育てと仕事を両立させるには、残業が少ない環境が理想的です。
したがって、女性従業員の多い工場は、女性が働きやすい、つまり残業が少なめと考えてよいでしょう。「女性歓迎！」と記載された求人が狙い目です。

3交代制で24時間稼働している工場を選ぶ

3交代制で24時間稼働している工場は、ライフスタイルに合わせて働きたい方におすすめです。3交代制の工場はシフト制のため、残業がさほど多くありません。

例え仕事が残っていても、所定時間になったら、次の時間帯に勤務する人と交代することが可能です。工場によっては、土日勤務や夜間勤務など、自分のライフスタイルに合わせて選べるところもあるので、チェックしてみてください。

製造業がきついときの対処法

製造業の仕事にいざ就いたものの、人によっては、仕事がきついと感じることもあります。そんなときは、仕事を辞めることだけが正解ではありません。資格を取得したり、上司に相談したりするほか、工場を変えるという方法もあります。

仕事と割り切る

繁忙期は残業や休日出勤が多くなりますが、基本的には、プライベートの時間も確保しやすいです。業務中にストレスになることがあっても、仕事と割り切ることで、かえって楽になることもあります。オフの時間は、思いっきり自分の時間を楽しみ、英気を養いましょう。

資格を取得する

資格を取得すると、資格手当がもらえる上、仕事の幅も広がります。どの工場でも重宝されるのが、フォークリフト荷役技能検定です。フォークリフトを運転できると運搬作業時に活躍できるでしょう。

また、衛生管理も、あらゆるジャンルの工場で活かせる資格です。労働環境の整備や改善に関する国家資格で、作業場が衛生的かどうか調査します。

このほかにも、危険物取扱者、電気工事士、機械加工技能士など、さまざまな資格があるので、自分の仕事に活かせる資格を探してみてください。

上司に相談する

暑い・寒い・臭いなど仕事環境に関する問題は、自分でどうにかすることができません。そんなときは、上司に相談してみてください。または、異動願いを出して、事務仕事などに異動するのも、1つの方法です。

工場を変える

工場で働くこと自体は嫌いじゃないけど、今の工場を辞めたいというケースもあります。例えば、夜勤や力仕事がつらかったり、人間関係のストレスがあったりと、人によって色々とあるでしょう。

そんなときは、工場を変えることをおすすめします。現状の問題を解決できる工場を探すことがポイントです。

転職する

製造業の仕事がどうしても自分に合わない場合や、新たなキャリアを築いていきたい場合は、思い切って転職するのもよいでしょう。

ただし、退職する前に、転職先を決めておくことをおすすめします。転職先が決まっていない状態で辞め、転職活動が長引くと、精神的にも経済的にも苦しくなってしまいます。なお、転職先は、自分の適性や希望条件にマッチした企業を選ぶことがポイントです。

製造業は業種も仕事内容もさまざま！応募時は仕事内容や条件を確認しよう

体力的にきつかったり、繁忙期は残業や休日出勤が多かったりと大変な面もありますが、製造業の仕事は、未経験でも挑戦しやすいのが魅力です。万が一きついと感じても、工場を変える方法や異動を申し出て仕事を変えるという方法もあります。

製造業は、業種も仕事内容も多岐にわたるので、自分に適した仕事を選ぶことで、長く続けられるはずです。そして、応募時は、残業や休日などの勤務条件も確認して、快適に働ける職場を見つけましょう。