製造業の年収はどのくらい？年収を上げる方法や活用したい制度も解説

モノづくりを行っている製造業は、さまざまな種類があるため、年収がどのくらいかイメージしにくい方も多いのではないでしょうか？今回の記事では、製造業の種類や年収、年収を上げる方法や活用したい制度などについて、まとめました。取得するとよい資格もご紹介しているので、製造業に転職したい方は、ぜひ参考にしてください。

製造業の種類

製造業の年収をご紹介する前に、まずは製造業の種類にどんなものがあるか見てみましょう。製造業は、大きく分けて3種類あります。

基礎素材型産業

基礎素材型産業は、産業の素材になるものを製造する産業です。主に、紙やパルプ、プラスチックやゴムなどを製造します。

加工組立型産業

加工組立産業は、素材を組み合わせて、加工品を製造する産業です。具体的には、電気機器や精密機器などを製造します。

生活関連型産業

生活関連型産業は、衣食住に関するものを製造する産業です。主に、食料品や飲料、衣服などを製造します。

製造業の年収

製造業の年収は、製品や業務内容、年齢や勤務形態などによって、異なります。平均年収、工場勤務の平均年収、年代別の平均年収などを見てみましょう。

製造業の平均年収は？

国税庁の統計調査によると、令和元年の製造業の平均年収は513万です。同年の給与所得者の平均年収は約436万なので、製造業の平均年収の方が少し高いことがわかります。

比較的年収が高いですが、大手メーカーの給与水準が高いため平均年収が高くなっていることも考えられるでしょう。

工場勤務の平均年収は？

それでは、次に工場勤務の平均年収をご紹介します。工場勤務の場合、平均年収は約320万です。キャリアが長いほど年収が高くなり、管理職クラスになると年収600万くらいになる可能性もあります。

年代別の平均年収は？

次に、年代別の平均年収をご紹介します。20代は約257万、30代は約330万、40代は約391万、50代は438万と、年齢と共に年収が上がるのが、製造業の特徴です。手当や役職があれば、さらに上がります。

高卒でも高収入を目指せる?

高卒では高収入を目指せないと思われやすいですが、そんなことはありません。製造業は、学歴を重視せず、経験やスキル、資格などを重視する傾向があります。

したがって、高卒でも、正社員になれる可能性は十分にあるし、頑張れば出世することも可能です。さらに、工場長や課長や部長に昇進できるチャンスもあります。

現在の仕事に活かせる資格を取得すれば、資格手当が出るだけでなく、任される仕事の幅も広がるので、キャリアアップにもつながるでしょう。

女性の年収が低いのはなぜ？

製造業では、男女の年収には約2倍の開きがありますが、それは製造業ならではの特徴が大きく関係しています。男性は資格を取得するほか、夜勤や残業手当を支給することが多く、その分年収が高くなりやすいです。

一方、女性は、梱包や検品など軽作業の仕事に就くことがほとんど。未経験でもできる仕事なので、その分、年収が低くなってしまうのです。

製造業で年収を上げる方法

製造業で高収入を目指したい方は、ここでご紹介する方法を実践してみてください。年収を上げる方法は、以下の７つです。

残業や夜勤などを増やす

1つめは、残業や夜勤、休日出勤を増やす方法です。労働基準法では、残業や夜勤をした場合、基本給の25％を手当として支給することが定められています。

休日出勤した場合、基本給の35％が支給されます。残業や夜勤などを増やすと、その分手当が上乗せされて、年収も上がるでしょう。

資格を取得する

2つめは、資格を取得する方法です。製造業では、資格を取得すると資格手当が支給されることが多いです。資格手当は毎月3000円～10,000円ほどなので、年間に換算すると約10万の手当が支給されることになります。

製造業での主な資格は、フォークリフト免許やクレーン免許、危険物取扱者や衛生管理者、機CAD利用技術資格やQC検定（品質管理検定）などがあります。

そのほかにも、国家資格の衛生管理者やエネルギー管理士、自動車整備士やボイラー技士、電気工事士などさまざまな資格があるので、自分の職場に必要な資格を取得してみてください。汎用性が高い資格が多いため、製造業のさまざまな仕事で活用できるでしょう。

長く勤める

3つめは、シンプルですが、長く勤めることです。製造業の給料には、昔ながらの終身雇用制度が反映されています。したがって、長く勤めるほど、徐々に年収は上がります。急激には上がりませんが、着実に年収を上げることができる方法です。

正社員になる

4つめは、正社員になることです。正社員と正社員以外では、年収は120万円ほど開きがあります。

現在、派遣社員、アルバイトやパートで働いている方は、正社員を目指すことをおすすめします。正社員になることで、確実に年収が上がるでしょう。給与形態が時給から月給制に変わるので、大型連休がある月や祝日が多い月でも、収入が安定します。

人によっては、企業側から正社員にならないかと打診される可能性もありますが、正社員登用制度がある場合は応募してみてください。応募した人が全員正社員になれるわけではありませんが、意欲をアピールできるので、今後のチャンスにつながります。

出世する

5つめは、出世することです。役職に就くと、役職手当が支給されるため、年収は大きく上がります。部長や工場長などの役職に就くには、日頃から仕事に真摯に取り組むのが一番です。

給与水準の高い企業へ転職する

6つめは、同業界の企業への転職です。大手企業ならば、一般的に、安定した年収で働くことができます。そして、給与水準も高くなる可能性が高いです。

製造業での経験や資格などを上手にアピールできたら、即戦力として期待してもらえる可能性があるので、好条件で採用してもらえるかもしれません。

ほかの工場に移る

7つめは、ほかの工場に移ることです。工場は、業界を変えるだけで、年収が大きく変わります。製造業の中で、年収が高いのは、自動車部品や電化製品を扱う大手メーカーです。年収を上げたいときは、自動車部品や電化製品の工場に移ることも検討してみてください。

お金を貯めるために活用したい制度

製造業は、福利厚生が充実している企業が多いです。例えば、家賃補助や借り上げ住宅、社員割引制度や財形貯蓄制度などがあります。お金を貯めるには、年収を上げるだけでなく、福利厚生制度を上手に活用しましょう。

家賃補助や借り上げ住宅

まず家賃補助や借り上げ住宅です。家賃補助は、賃貸住宅に住む社員向けの、家賃の一部を補助する制度のことです。寮完備の企業だと、家賃がかからないので、その分貯金することができます。

一方、借り上げ住宅は、企業が借り入れた賃貸物件を社員に貸し出す制度です。物件は、会社の近くにあることが多く、家賃の一部を企業が負担します。借り上げ住宅の利用料は給料から引かれますが、その分、所得額が減るので、所得税や住民税の節税になります。

食事補助や社員割引制度

次に、食事補助や社員割引制度です。食事補助は、社員の食事代を企業が負担する制度です。社員食堂を完備したり、昼食用のお弁当を支給したりするほか、夜勤時の夕食を支給することもあります。食費を節約できるので、大いに活用したい制度といえるでしょう。

社員割引制度は、自社商品を社員が割引価格で購入できる制度です。食品や化粧品など、自社で製造している商品をお得に購入することができます。割引率は、企業によって異なります。

財形貯蓄制度

3つめは、財形貯蓄制度です。毎月の給与から一定の金額を天引きするので、自然と貯金できます。貯金がなかなかできないという方は、給与を天引きすることで、強制的に貯金できるはずです。天引きする金額は、無理のない金額に設定することがポイントです。

レジャー施設の割引制度

4つめは、レジャー施設の割引制度です。企業によっては、レジャー施設の割引やスポーツクラブの階費補助制度、保養所などがあります。制度を活用してレジャーを楽しむことで、節約しつつリフレッシュすることができるでしょう。

特に、小さな子どもがいる場合、家族で充実した休日を過ごしたい方も多いはず。充実した休日を過ごして、英気を養いましょう。

製造業で高年収を狙うなら業種選びや働き方も重要！企業の制度も活用しよう

製造業は、業務内容や勤務形態、資格の有無などによって、年収が異なります。高年収を狙うなら、業種や働き方も十分に検討しましょう。そして、仕事に有利になる資格を取得することで、キャリアアップも収入アップも期待できます。企業に福利厚生の制度もあれば、上手に活用して、お金を貯めましょう。